教えて!ジュン先生 ~ジャズピアノの道~ 3

のりこ

ジュン先生こんばんわ。
先日のお話の続き(~ジャズピアノの道~2)なのですが、
概ね三つの中に、もうひとつ過程が挟まっているとはなんぞやと言う・・・

ジュン

はい、前回の続きですね!
(半年近くも更新があいてしまってすみませんでしたm(_ _)m)

ちなみに三つのなんぞやとは、
・コードを理解する
・コードに沿って使えるフレーズを覚える
・フレーズを弾けるように指の練習をする

でしたね。。。

ジュン

というか、いきなり初心者向けでない内容になってきてますね。

のりこ

まぁええんちゃいますか。
少なくとも雰囲気はわかります!笑
で、その三つの中に挟まっているもうひとつの過程ってなんですか?

ジュン

(鬼かな・・・?)
はい、ええと、

必要なものをイメージし、組み立てる

です。
言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、
セッションに来ているお客さんで
「練習どおりにフレーズが出てこないんです~」
というような方は、これを忘れている場合も多いのではと。。。

のりこ

え~、、わからん。。。

のりこ

何が必要で何をイメージして何を組み立てるんですか。
(ちょっとムカついてる)

ジュン

(なんでやねん)
まあかなり広い意味の言い方で逃げてるとこもあります笑

まず、共演者のイメージですが、
例えばですけど、のりこ先生がセッション行くとしたら、
どんな楽器の方と一緒に演奏しますか?

のりこ

大体、ホストにピアノ、ベース、ドラムの方辺りがいますね。

ジュン

はい、そうだとして、サックスでテーマを吹いて、
その後サックスソロが始まったとします。
この時ももちろん、
ピアノとベースとドラムが伴奏でついてきていますね?

のりこ

そうですね。

ジュン

そうすると、サックスがアドリブなら後ろの三人もアドリブですので、
ソロに合わせてオブリガートを入れたり(ソロの隙間に相槌のフレーズを入れること)、代理コードをはめ込んだり、リズム遊びを入れてくるなどして、たくさんの仕掛けを入れてきます。
ジャズセッションは自分のアドリブ力を試す場でもありますが、そういうソロ奏者と伴奏者との兼ね合いを楽しむのも醍醐味ですし、そういった要素がより音楽としての完成度を高めることにもなります。

要するにいくらソロと言っても、ひとりで音楽を作るわけではないので、伴奏パートについて理解しておくこととや、仕掛けのやり方について少しでも知っておくことが大事ですね。

のりこ

まず!
代理コードとはなんぞや。(ムカついている)
そして、どうやって伴奏パートについて理解して、どうやって仕掛けのやり方について知っておくのでしょうか。(ムカついている)
(私の名誉のために言い訳しておきますが、代理コードなど知っておりますが、読んでくださっている方で知らない方の気持ちを率直に代弁しました。以上。ムカついている)

ジュン

(更年期かな?)
細かい話は別の機会にしますが、
代理コードは差し替え可能なコードのことです。
例えばCメジャーの曲で

Dm→G7→CM7

と進むところを

Dm→D♭7→CM7

としたりです。
上記のタイプは裏コードと言って、ベースやピアノの人がよくやる手法です。その他にリハーモナイゼーションとかいうタイプもあります。
とにかく、その場で瞬時にコードを変えられてしまうので、ソロ奏者もそれを覚悟しておく必要があります。でも知っていれば混乱せずに済むので。慌てなければ事故は起きない。はず。

伴奏パートについて知るには楽器そのものを習えれば一番いいですがそんなに簡単ではないので、まずは音源や他の人のセッションをよく聴いて観察してみましょう。ドラムの基本パターンはどうなっているか、どんな時にどんなオブリガートを入れているか、など。
セッションは上手い人も初心者の方も集まるので、いろいろ聴いてみての比較がすぐにできますし、親切な方なら聞けばその場で教えてくれるかもしれません。
その辺りも具体的な例は後日にしますけども。。。

のりこ

あー、今日の朝ごはんは食パン!と思っていたらロールパンが出てきた、とか、牛乳と思って飲んだら豆乳だったとか、そのパターンですね♪(あれ、違う?)

確かに、たくさん聞いて情報として知っておくのが大切ですね。
ちょっとだけ希望が出てきました。笑

それにしても、すでに”セッションに行く”話になってしまっていますが、
その前にアドリブをするには!!なんですヨ!!

ジュン

どちらかというと、サイゼリヤ好きの友人が急に吉野家行こうって言い出したときについていけるか、っていうノリに近いです。爆

あー、失礼しました、今回はセッション目標の話ではなくて、
練習の時にもそれをきちんとイメージしよう
という話ですね。。。
しかも、共演者の動きをイメージしながら練習すると、そっちにエネルギーを費やす分自分の演奏に全力を使えなくなるので、その状態でできるようにしておけば、本番の時にさらに余裕ができて良いですよ。

のりこ

え、そっち?!
外食しか共通点がないじゃないですか、、笑
でもそれぐらいの対応力がいるんですね。

確かに、私はアプリでカラオケ的なものを流して練習しますが、そういうイメージしながらの練習も取り入れると本番に余裕ができそうですね。
しかし!
どうやって練習するのでしょうか。。。
今日は先に進んで後退していく感じですね。全くもう。

ジュン

そうですね、今までの話は外から入ってくる音の話でした。
もう少し後の話でもよかったかもしれない。←

メインは
フレージングの組み立てのイメージを練習する

ですね。

のりこ

どういう事ですか?
フレージングを練習するなら、フレーズ集を買って練習する、とか、好きなフレーズを耳コピする、とかありそうですが。
でも結局フレーズ集を練習してるだけじゃアドリブができる様にはならないですよね。
近からず遠からずなのかしら。。

ジュン

まさにそれです、フレーズ集を弾いただけでフレーズの練習をした気になっているっていうのが。
耳コピの方が、まだ音源とセットで理解しているので可能性はありそうです。

もちろんそれで指はある程度動くようになりますが、それはまだかなり断片的な状態であって、実際のセッションでは結果として追い付かない場合が多いと思うのです。
脳から出したフレーズを指が弾ける状態ではあっても、脳がフレーズを作るのが間に合わないです。

のりこ

そしたら、脳がフレーズを作るのを間に合うようにするには、
どうすれば良いのですか?

ジュン

まずは

実際の曲の流れに沿ってアドリブを弾ききる練習

をしてみてください。
伴奏が居ることも計算に入れて、イントロからテーマ、ソロ、バックテーマ、エンディングまでです。他のパートのソロも折角なのでイメージして、どうバッキングするか、ドラムバースはどうするか、まで作ります。
いきなりソロを作りきるのはかなり大変なので、ちょっとくらい内容が適当でも気にしないでください。大事なのは全体像をイメージすることです。

のりこ

えーっと、それはアドリブ初心者でもですか?
書いてあるテーマ(メロディー)はできても、じゃあアドリブとなった時に、固まってしまうと思うのですが、、
それでも強行するって事でしょうか??

ジュン

はい、強行してください。周りに誰もいませんから。笑
コードトーンをある程度理解しているとか、ひとつでもスケールやフレーズを覚えている状態でしたら問題ないです。

のりこ

あら、やっぱり先にコードやスケールやフレーズを理解しとかないといけないじゃないですか。
そりゃあそうですが。。
ここら辺は、習うとか本で勉強するとかですか?
と言いつつ、確かに私もコードを覚えるの、頑張りましたね、昔。笑

ジュン

お、おうよ。。。汗
その辺りの予備知識はルシャトンのレッスンでも教えていますし、本とかでも全然問題ないです。

とりあえずそれ前提で話してますが、最悪、カラオケ(マイナスワン)音源と一緒に練習できる度胸があればそれでいいです。
で、それを必ず録音してください。

のりこ

録音?なんでですか?

ジュン

自分がどんなソロを弾いているか客観的に聴くためです。
最初はイヤすぎると思いますが、自分がヘタかどうか確認するものではないですよ。笑

譜面を観ながら聴いてみると、

「ここはどうしたかったのか決まらなかったな~」
「ここってホントはこうしたかったよな~?」


って部分が必ずあるので、それを確認していきます。
そのあたりはとどのつまり

本当はイメージがあるけど引き出すのが間に合わなかった
イメージできたけど指が追い付かなかった

ということになります。

なにがなんだかさっぱりわからなかった、っていう部分はそもそもアドリブのイメージが足りない部分なので、どんなフレーズが使えるのかを確認する段階をやり直します。

のりこ

なるほど。
やっと、なんとなくイメージが湧きました。笑

ジュン

曲全体を通してアドリブを作ることとそれを聴くことは、
部分的ではなく全体を見て計画的にソロを作ることにもつながってくるのでオススメです。
上手い人はアドリブでもちゃんとメリハリを作れますが、あれは計画的にメリハリを作ってアドリブをする練習を普段からしているからです。


そして、先ほどのイメージが間に合わない箇所を確認した後は、その箇所を集中的に練習します。その際、

必ず決められたタイミングでそれを演奏し、
前後のフレーズをアドリブで演奏する

という練習をします。

例えば、Autumn Leaves(枯葉)を練習していて、17小節目のAm7(♭5)からGmまで作ったフレーズを練習したい場合、

1小節目からアドリブで入って
Am7(♭5)からGmまで決まったフレーズを弾いて
その後32小節目までをアドリブで演奏しきる

というのを延々繰り返します。

フレーズが出てこないのは、直前の演奏内容によって弾き始めの指の位置やフォームが異なったりイメージが毎回異なった方向へ左右されてしまうからなので、手前がどんな状況であってもブレずに思い出すためにこういう練習をします。これで特定箇所に対するフレージングがかなり定着します。
直前だけでなく後ろも練習するのは、その後の展開も理解しておくためです。

アドリブの曲でなければ前後関係により思い出せるので順番に覚えていけば長い曲を暗譜できたりしますが、伴奏ですらアドリブなので、決まった前後関係に頼れないんですよね。そういう意味では、どんな音から始まっても何かひとつはフレーズが弾ける、というのが最強かもしれません。言うのは簡単やけど。笑

のりこ

うーん、言うのは簡単ですね・・・笑
アドリブの練習をやりなれている人ならイメージは湧きますが、
いきなりだと難しいですよね。
そんな事を気長に付き合ってくれるレッスンもしてるんですか?

ジュン

たしかに、上記の話は普段からよく練習している人向けかもしれませんね。。。
文面だけだとわかりにくいので、後日動画か何か作ります^^;
もちろんレッスンでもそういった内容には触れますし、生徒さんからもそういった質問はとても多いので、その都度生徒さんに合わせてお答えしていますよ。

ブログのネタになるので、お読みになってる皆さんもどんどん質問してくださいね!

のりこ

ほぼ私の趣味ですが。。笑
また質問します!

ジュン

うん、まあ、うん、はい。
次回をお楽しみに!

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